神戸市東灘区のうおざき駅前心療クリニックです。
厚生労働省が飲酒ガイドラインをまとめたことをきっかけに
ストロング缶の問題なども含め、メディアでアルコール問題について触れることが多くなってきているように感じます。
アルコールは飲み会など、人と人との交流において使用され、
緊張を解きほぐすといったような良い効果もある一方で、
純粋に飲めない方にとってはただただしんどくなるだけの飲み物であるだけでなく、
ある程度飲める方にとっても、飲み続けることで、お酒が手放せない、
お酒で何かしらの問題を引き起こし周囲に諌められていても飲み続けてしまう、
健康診断で控えるように言われても控えることができない、など
水面下で、しかも徐々に徐々に様々な問題を引き起こす場合がある、
という事に注目されることが少なかったように思います。
アルコール依存症のせいで家族関係などの人間関係に問題を抱える方は多いです。
アルコール依存症になってしまうにはそれなりに時間を必要とします。
成人して最初にお酒を飲んで「おいしい!」と思った方はそれほど多くないはずです。
なんなら「なんでこんなもの大人は好き好んで飲むんだろう」という感想だった方は少なくないと思います。
それがいつの間にか毎週末飲むようになり、
気づけば一日おきに飲むようになり、
毎日飲む、しかも量は徐々に増えていく、
というのがよくあるパターンです。
しかしそれだけ飲酒量が増えてもみんながみんなアルコール依存症になるわけではありません。
もし飲酒量が多くても問題がなければ単にお酒好きな方です。
逆にざっくり言ってしまえば、飲酒量が少なくても、お酒のせいで問題が起こっていて、そのことを解決すべくお酒を控えたり、やめたりすることができなければ、依存症と言えます。(本来は診断基準があるのでそれに沿って診断する必要がありますが)
ただ、アルコールを飲む方は身近にいたとしても、
アルコールで困っている人は意外に身近にいません。
また、依存症は病気なので、病気の知識がない方に相談しても、なかなか良いアドバイスが得られずかえって混乱することにもなりえます。
相談先としては、医療機関や保健所、精神保健福祉センター、が適切なのですが、なかなか最初に相談する場所としてはどこも敷居が高いかもしれません。
当院がある兵庫県神戸市には、ひょうご・こうべ依存症対策センターがあります。
名前にまだいかめしさを感じるかもしれませんが、精神保健福祉センターの「依存の相談口」です。
まずは話を聞いてみるだけでもいいと思います。
悩みがあれば是非、相談から始めてみてください。