神戸市東灘区のメンタルクリニック

Web予約
友達追加
疾患一覧
マップ・診療時間
よくある質問
メンタルヘルス

介護ストレス・介護うつでお悩みの方へ

少子高齢化が進む中で、介護の負担は特別な人だけの問題ではなく、誰にでもふりかかり得る現実になっています。子どもが親を介護するだけでなく、配偶者同士のいわゆる「老々介護」も増え、介護される側・する側の両方に大きなストレスがかかるようになっています。

もともと強く結びついていた人間関係が、認知症などによって変化してしまったとき、かつての関係を保とうとするあまり、介護する側に強い負担がかかることがあります。また、長年の支配的な関係性から抜け出せず、本人も気づかないかたちで「つらい関係」が続いてしまうこともあります。

介護している相手のことを「疎ましい」「もう限界だ」と感じてしまうのは、おかしなことではありません。それだけ大きな負担を抱えている証でもあります。

介護ストレスとは何か

介護ストレスとは、介護を担う人が心身に受けるストレスの総称です。身体的な疲労だけでなく、精神的な負担、経済的な不安、人間関係の問題など、多くの要素が重なって生じます。

介護者の研究では、介護を続ける方にうつ症状が出やすい背景として、次のような要素が関連することが示されています。

  • 介護される方の行動上の問題(怒りっぽさ、夜間の徘徊、暴言など)
  • 介護に対する「義務感」や、「家族だからやって当然」といった社会的な圧力
  • 介護者自身が感じる「主観的な負担感」や、「自分だけが背負っている」という感覚

ある研究では、介護者のうつ状態は「行動上の問題」「社会的な圧力」「介護への負担感」と直接関連があり、さらに日常生活動作(ADL)の自立度や「やらなければならないという義務感」などを介して、間接的にも影響を受けると報告されています。

一方で、認知症の方を介護しているご家族のご負担について調べた研究では、「興奮しやすい」「怒りっぽくなる」「我慢がきかない」「幻覚がみえる」「ふさぎこんで元気がない」などの行動や心理の変化(行動・心理症状:BPSD)が、介護されている方ご自身だけでなく、介護しているご家族の疲れや落ち込みと深く関係していることが分かっています。

昔は元気で、お互いに支え合って生活してこられた大切なご家族が、今は実際には起きていないことに強い不安を感じて怯えたり、突然イライラしたり、理由がよく分からないまま怒鳴ったりきつい言葉を口にされることがあります。

頭では「病気のせいだ」と分かっていても、その言葉を受け止める側のご家族にとっては大きなショックであり、とてもつらく、心がすり減ってしまうことが少なくありません。

「相手は悪くない」と分かっていても、悲しくなったり、腹が立ったり、気持ちが沈んでしまうのは、むしろ自然な反応であり、多くの介護者の方が同じようなつらさを感じていることが報告されています。

介護者のうつ(介護うつ)で気をつけたいサイン

介護に伴うストレスや心身の負担が一定のラインを超えると、「介護うつ」と呼ばれる状態になることがあります。少しでも次のようなサインが思い当たる場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。

  • 眠れない日が続く、夜中に何度も目が覚める
  • 朝起きても疲れが取れず、何をするのもおっくうに感じる
  • 以前は楽しかったことにも興味が持てない
  • 「自分さえ我慢すればいい」「自分が悪い」と自分を責めがちになる
  • 介護している相手に対して、イライラや怒りが抑えられない
  • 頭痛やめまい、動悸、胃の痛みなど、原因がはっきりしない身体の不調が続く
  • 介護以外の人間関係や趣味、仕事などが手につかなくなってきた

認知症の方を介護している人は、一般の方と比べてうつ症状や不安の程度が高いことが、複数の研究で示されていますし、特に女性の介護者でその傾向が強いとする報告もあります。
また、「負担感」や「ストレス」に加え、サポートの少なさや自分の健康状態の悪化も、介護者のうつ症状と関連することが報告されています。

介護ストレス・介護うつに影響しやすい要因

これまでの研究をまとめると、介護者の抑うつやストレスには、次のような要因が影響しやすいと考えられています。

  • 介護される方の行動・心理症状(興奮、暴言、徘徊、抑うつなど)
  • 介護時間の長さ、夜間も含めた24時間体制の介護
  • 介護に対する「家族だからやるべきだ」という社会的な圧力
  • 「自分がやらなければならない」という強い義務感
  • 実際の支援の少なさ(きょうだい・親族・サービスなど)
  • 介護によって、自分の生活や仕事・趣味が大きく制限されていること
  • 自分の健康状態の悪化(高血圧、糖尿病、慢性疾患など)

認知症の介護者を対象にした研究では、「行動上の問題」や「負担感」「社会的な圧力」が、介護者の抑うつと強く関連することが示されています。
また、「問題解決志向」「受け入れ」「感情的なサポートを得る」などの対処法がうつ症状の軽減に役立つ一方で、「現実逃避」「否認」「あきらめ」といった対処法はむしろ悪化につながりやすいことも指摘されています。

「介護のあと」の人生と、ご自身の生活も大切に

介護される方を大事にすることは、とても大切なことです。しかし、介護のあとには介護者ご自身の人生がありますし、介護の最中であっても、ご自身の生活や健康は同じように重要です。

介護者のうつやストレスに関する研究からも、介護を支えるプログラムや心理社会的な支援が、負担感や抑うつを軽減する効果があることが示されています。
また、家族介護者向けの支援プログラムや、マインドフルネスなどを取り入れた介入によって、うつ症状や不安、ストレスが中等度以上改善したという報告もあります。

大事なことのバランスをとることは簡単ではありませんが、「介護する人」としての自分だけでなく、「ひとりの生活者としての自分」を守ることも、決してわがままではありません。ご自身も相手も大事にできるよう、少し立ち止まって考える時間を持つことが、結果として介護を続けていく力にもつながります。

神戸市東灘区で介護ストレス・介護うつにお悩みの方へ

うおざき駅前心療クリニックでは、介護ストレスや介護者のうつ症状、不眠、強い不安などについてのご相談をお受けしています。介護そのもののやり方を変えることは難しくても、関係性のとらえ方や負担感の持ち方、周囲への助けの求め方を一緒に整理していくことで、心身の負担を軽くできる場合があります。

「まだ頑張れるから」「家族だから当たり前」と限界まで抱え込む前に、一度ご相談いただければと思います。
神戸市東灘区、魚崎、住吉、御影、青木、深江、六甲アイランド周辺で、介護のことでお悩みの方は、うおざき駅前心療クリニックまでお気軽にご相談ください。

関連記事

PAGE TOP