神戸市東灘区のうおざき駅前心療クリニックです。
DSM-V-TRが発表されました。
発表自体はもっと以前からされていたのですが、
日本語訳の本が出版されたのは今年の6月です。
TRはtext revision(本文改訂)の訳だそうです。
DSMには診断基準が詳細に記載されています。
操作的診断とも言われ、これに当てはめて診断していく、基準となるものです。
今回の改訂ではできるだけ「障害」という言葉を使わないようにといった変更が加えられ、
その病名を受けた方に対する心理的配慮(ポリティカル・コレクトネスのようなことでしょうか)が強い印象です。
例えば、以前は適応障害、だったものが、適応反応症、などと変更が加えられています。
理念としては理解できますし、おそらく世間一般に浸透してしまえばなんということはないのでしょうが、
現時点で新しい病名のみを使っていると、一般の方には分かりにくいものになってしまいそうなので、
当院のホームページではできるだけ両者の記載をするように心がけています。
実際の診療場面では
適応反応症ですね。以前は適応障害と言われていましたが、精神科の進歩に伴い名前が変わって・・・
などと説明するのが本来的なのでしょうが、まわりくどくなってしまいますし、
!?
(てきおうはんのうしょう・・・・?
え、適応障害・・・・?
え、同じ・・・? え・・・?)
といったように、正しさを追求したが故に分かりにくい説明をするのは得策でないように思うので、
おそらく当分は従来の病名で説明することになると思われますがご了承ください。