神戸市東灘区のメンタルクリニック

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神経症性障害(不安症ほか)

神経症性障害

様々な疾患が含まれます。厳密にはこのカテゴリーではありませんが、強迫症もこちらに含めています。抗うつ薬が有効な疾患が多いです。

  • パニックが不安
  • あがり症
  • 色々な事がとにかく不安
  • 症状へのとらわれ
  • 病気に違いない
  • 病気がよくならない、悪化する
  • 繰り返してしまう
  • パニック障害

    動悸がする、息苦しい、お腹が痛い、吐き気がする、離人感(幽体離脱するかのような感覚)、どうにかなってしまいそうな恐怖、を繰り返すため、強く不安を感じる方。
    その症状が1時間も続かないのであれば、パニック発作かもしれません。

    パニック発作は社交不安症(人前で話したり食事したりする時に緊張や不安が強すぎる方、あがり症)や、PTSD、限局性不安症(いわゆる◯◯恐怖症(例えば高所恐怖症))、などでも起こります。きっかけがはっきりしていたり、以前経験した強い恐怖の経験があればそれらを疑いますが、なんのきっかけもなくいつパニックになるかわからない、だからまたいつパニックになるかわからない、という不安を抱えたり、その不安を解消するために心配な状況を避けるという方はパニック障害という診断になるかもしれません。疫学研究では広場恐怖の合併率は20%ですが、臨床的には80%と高率に合併します。パニック障害の方では、乳酸やカフェイン、二酸化炭素、イソプロテレノールなどでパニック発作が誘発されやすいと言われています。他の不安障害と同様で、1:2で女性に多く、発症年齢の中央値は20-24歳と言われていて、小児や45歳以上の発症は少ないです。他の不安症やうつ病病気不安症の合併も多いです。気質的な要因として否定的感情の強い方や不安への敏感さが、環境の要因として、喫煙や発作の数ヶ月前に生じたなんらかのストレスが挙げられます。

    社交不安障害

    人前で話をする、食事をする、字を書く、目上の人と会話をするなど他人との会話、人に意見を述べる、やパーティなどに対する不安があり、そういった状況を避けたり、不安などの強い苦痛に耐えながら無理に耐えている場合は社交不安障害かもしれません。いわゆるあがり症です。多くの場合では注目を受ける状況で、自分が恥ずかしい思いをしたり、不安症状を呈することに対する顕著で持続的な恐怖や不安があるため、「もしあの状況になったらどうしよう」という不安を抱えます。疫学調査では女性が多いとされますが、臨床的には男性の方がわずかに多い印象です。発症年齢の中央値は13歳で、75%は8~15歳で発症します。未治療では60%が数年以上の持続するなど長期化してしまいます。他の不安症としばしば合併し、経過中の慢性の社会的孤立はうつ病を引き起きします。

    全般性不安障害

    多くのできごとや活動に過度な不安や心配が続く疾患です。不安の対象は様々ですが、仕事関連や経済状況、健康問題などの日常的な生活環境についての不安が多く、将来の見通しが実際予想されるものよりも過度に悲観的です。また、落ち着きのなさやイライラ、集中困難や緊張、過敏性、易疲労感などの精神的な症状や、頻脈、発汗、新鮮、睡眠障害といった自律神経の過活動や筋緊張による肩こりや頭痛などの身体症状を伴います。限局性不安性とは違い、不安の対象は漠然としていてとらえどころがなく、全般的かつ持続的で制御できない不安という特徴があります。発症年齢の中央値は30歳で、1:2で女性に多いです。完全寛解率はとても低く、治療は一生続けるべきとされています。

    身体症状症(身体表現性障害)

    何かしら身体の症状を抱えており、実際に疾患を抱えている場合もありますが、その症状に対する苦痛を感じており、なおかつ、不釣り合いで持続的な心配をしているか、不安レベルがいつも高いか、身体症状や健康不安に対して費やす時間やエネルギーが過剰な場合はこの疾患である場合があります。小児期で発症した場合は繰り返される腹痛、頭痛、倦怠感、悪心が最も多い症状です。長引かせる因子としては、女性、高齢、低い教育歴、低い社会経済的地位、無職、性的虐待、幼少期の逆境、合併する身体疾患などがあります。

    病気不安症(かつての心気症のなかで身体症状をみとめないもの)

    重篤な病気にかかっている、もしくは重篤な病気にかかりつつある、と過度にとらわれている状態です。検査で異常がないと証明されても、ちょっとした変化からやはり病気ではないか、と何度も検査を希望したり、逆に医療機関の受診や入院を避けるなど不適切な行動に至ってしまいます。発症は成人期が多く、50歳以降では稀とされていますが、高齢患者では記憶の低下が病気の不安につながることが多いです。性差はありません。環境要因として小児期の虐待や病気の既往が挙げられます。薬物療法は合併疾患に対して行います。

    心身症

    ストレスを代表とする心理的因子が、身体疾患の症状の進行や悪化、回復からの遅れにつながる場合はこの疾患かもしれません。精神症状に伴う身体症状(身体表現性障害)などは除外されます。身体疾患の具体例としては、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、慢性膵炎、胃食道逆流症、気管支喘息、過換気症候群、アトピー性皮膚炎、糖尿病、メニエール病、顎関節症、片頭痛、腰痛、慢性疼痛、更年期障害、月経前症候群、など多岐にわたります。

    強迫性障害

    手が汚れていないか不安で何度も繰り返し手を洗い続けてしまう、や、鍵を閉めたか不安で、何度もカギの閉め忘れを確認してしまう、などの症状は強迫性障害かもしれません。強迫観念という反復的で持続的な思考、衝動、イメージで、侵入的で好ましくないものとして体験されます。

    手が汚れている

    たいていの人にとっては不安や苦痛の原因となるので、抑え込もうとして他の思考や行動(強迫行為)で解消しようとします。

    ・・・・(手を洗っている)

    ただし、この行動によって強迫観念は解消されず、さらに強迫観念が強くなってしまうところがこの疾患の特徴です。

    洗ったけど、やっぱり汚れは取り切れていない、やっぱり汚れている

    そのため、再度強迫行為で解消しようとして、するとまた強迫観念が強くなり・・・を繰り返してしまいます。ご自身だけで強迫観念が解消されないと、家族に対して「大丈夫だよね?」と保証を繰り返し求めてしまう場合もあります。一般的には強迫症の患者さんはこのような観念や行為の無意味さや不合理性、過剰性を十分に認識しており、なんとか制御しようと頑張っているものの、不安や強さ、苦痛に圧倒されてしまい、大きなストレスを抱えてしまうことになります。平均発症年齢は20歳前後とされており、男性がより早発の傾向です。女性では結婚や出産に関わる時期の発症が比較的多いです。うつ病や他の不安症の合併が少なからずみられます。

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